題名『稲作民俗の源流―日本・インドネシアー』出版! ISBN4-89259-374-5 C0039 更新2010年0月7日 『稲作民俗の源流―日本・インドネシアー』 私が20年間にわたり民俗調査してきたのを、この程一冊にまとめて 2001年2月20日に、題名『稲作民俗の源流〜日本・インドネシア〜』 として出版することになりました。全国のジュンク堂・紀ノ国屋・旭屋 などの主要書店の店頭に置かれる予定です。 本は、343ページで口絵と表紙写真17枚、本文中の写真112枚、図・ イラスト52点が入っていて読みやすくなっています。 本の内容は、下記に紹介させて頂きましたが、特に京都・滋賀・奈良や インドネシア等の民俗行事を中心にまとめています。 第4章 古代駅制・山本駅と『竹取物語』では、京田辺市が「竹取 物語の発祥地」として平成3年に発表した『筒城』に、その後の研究も 付けたしてまとめています。この日本最古の物語『竹取物語』について は、先日京田辺市中央公民館で開かれた「歴史シンポジウム」で同大名誉教授の森浩一氏が 「京田辺は 『竹取物語』が熟成した場所として自信を持っていい」 と紹介されました。京田辺市が『竹取物語』発祥地では、と『筒城』に 発表した私は、地元の歴史を研究し続けてきた甲斐がありました。 また、第1章 神社以前の祭祀〜オハケと御仮屋〜 では、京都 祇園祭「三条御供社」のオハケや、城陽市「水度神社」のオハケ、 奈良「生駒山口神社」のオハケなど多くの珍しい事例を紹介しています。 この他、第2章 例祭の古式神饌について〜京都・奈良・滋賀を中心に〜 では、御棚神饌・上賀茂神社 春日神社 稲作以前の神饌・水度神社「栗や榧」北白川天神宮「高盛御供」 唐菓子・春日若宮「ぶと」日枝神社「ちん」月読神社「ゆとう」 下鴨神社「ぶと」大和神社「ブトノクチ」祇園社「ふと」「桂心」 神仏に共通する神饌・談山神社「百味の御食」春日若宮「御染御供」 白山神社「百味の御食」 佐牙神社・御旅所百味 日枝神社「ちん」月読神社「ゆとう」下鴨神社「ぶと」 大和神社の「ブトノクチ」祇園社「ぶと」 酒屋・両社神社の「笠餅」 穀類を蒸したものwy ・天皇神社「盛相」玉田神社「しらむし」北野天神宮「菜種御供」 大和神社「ちまきと牛の舌餅」高木神社「鳥御供」 棚倉涌出宮「御供」八幡神社「御供盛り」北白川天神宮「盛相」 「カブト」北野天満宮「甲御供」老杉神社「御供」 男女のシンボル・高木神社「五百母祭り」上賀茂・下鴨神社「葵桂」 棚倉涌出宮「男根」八幡神社「男根・女陰」 人身御供・老杉神社「ヒトガタ御供」杉山神社「人身御供」倭文神社「人身御供」 瑞饋神輿・北野天満宮「瑞饋神輿」大将軍八神社「瑞饋神輿」棚倉孫神社「瑞饋神輿」 御上神社の「瑞饋神輿」御園神社「瑞饋神輿」 など、一般では見られなくて秘儀とされている貴重な京都・滋賀・奈良の特殊神饌を、 多くの写真や図それにイラスト入りで紹介しています。 私が京田辺市三山木の「佐牙神社」について書いた、第3章 南山城、山本の宮座と 講では、佐牙神社の年中行事や神宮寺それに伊勢講・日待ち講など、他の宮座では見ら れなくなった貴重な民俗行事を江戸・明治・大正・昭和の古文書をもとに紹介しています。 このほか 第5章 神々の島”バリ”の民俗儀礼 第6章 民俗の宝庫インドネシアkトラジャ〜葬送・新築・豊穣・結婚儀礼を 中心に〜もあり、日本と同じ「稲作民俗」であるインドネシアの葬送・新築・豊穣・ 結婚儀礼を日本の民俗と比較しています。 自費出版なので500冊と他の本のように多くありませんが、興味のある方に読んで 頂けたらと思っていますので、紙面のどこかで紹介して頂ければ光栄です。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 出版社は「文理閣」図書出版 〒600−8146 京都市下京区七条河原町西南角 TEL 075−351−7553 FAX 075−351−7560 E−mail bunri@mbox.kyoto-inet.or.jp HP http://www.bunrikaku.com です。 直接出版社への申込みも可能ですが、郵送料が必要となりますので御了承下さい。 本の口絵写真から 「はじめに」から 私が住んでいる京田辺市の村では、古くからの伝統行事が今も継承されている。 私は20代の頃より宮座や講などの行事に参加し、豊穣を祝う祭壇の見事さや御 仮屋など色々の神事に興味を持ちはじめた。調査研究を進めるうちに、日本民俗 の源流にたどり着き、古来から脈々と流れる文化の深さに感動した。 人類は、食物なくしては生き続けられない。日本では特に主食である米が、最も重要なものであろう。我が国をはじめ東南アジアの稲作民族は、野の里、山の里、海の里に感謝するための行事を毎年繰り返し、その恵みに感謝し「来年も豊作になりますように」と祈り、その種子を大切にしてきた。日本においては、春は田植え前の予祝行事として水口などに供え物や飾り物をしたり、秋には豊穣に感謝して今でもその収穫物をわざわざ古来の方式で穂済みして供えている。 古い形式をとどめる宮座の中には、縄文時代後期に米作が始まる以前の食物であった雑穀(粟・稗・麦)など、現在では食べていない物を、神社に供えることを目的に、絶やさず作り続けている所もある。神社神道の行事は、ただひたすら毎年同じことを繰り返すことに意義があるとさえ言われている。つまり我々人間が生存し続けるためには、これら食物が一番大切であるということを神社神道は儀式の中で問い続けているともいえる。私たちが、これらを絶やさないために、太陽と水に感謝し、これらを守り続けてきた祖先に感謝する行いが神祭りである。 年中行事の先祖供養、春秋の祭り、節句などの色々な儀式は、毎年繰り返すことにより、祖先を敬い一体となることによって共同体の意識を高め、ひいては幸福な生活を導く糧となるのである。 今日、我々日本人の多くは神を信じる信じないは別として、正月には故郷へ帰り、家族一同そろって新年を迎え、「今年も良い一年でありますように」と神仏に祈る。いくら科学文明が発達し便利になっても、古来から変わらぬ我々稲作民族の生き方を数々の伝統行事や神事は伝え残している。 本書は以上のような日本民族の良き伝統をあらためて見つめなおし、より多くの人達に伝え、お互いに理解し合う一つの材料をさぐってみたいという試みである。以下本文では、京都・滋賀・奈良の神道や仏教を中心とした民俗儀式を始め、インドネシアのバリ島とサダン・トラジャにおける死者儀礼や結婚式などの稲作民族の秘事儀礼を中心に、なるべく多くの事例について列記した。中でも一般の人達の目には、あまり触れられない秘儀や、深夜に行われているものも多く紹介した。 まだまだ未熟であり、お目ざわりな点も多くあろうかと思われるが、私の小さな試みを受け止めて頂くことができれば幸いである。 以下は、その「目次」です。 目次 口絵 はじめに 第1章 神社以前の祭祀 〜オハケと御仮屋について〜 The Religious Former Shrine Centering Around"Ohake"and"Okariya"
(4).御仮屋について 御仮屋の事例 奈良 大安寺「八幡神社」荒蒔町「勝手神社」京都 京田辺市「佐牙神社」 奈良 川西町「糸井神社」天理市「長岳寺」桜井市「下居神社」 大嘗祭、御仮屋の事例 悠紀殿・主基殿 青柴垣 (5).稲作儀礼の神霊 奈良「春日若宮のおん祭」の稲束 天理市 下居神社の垂幣と新稲 大嘗祭の「魂祭り」 京都 大江町「元伊勢神宮」の縣税 (6).おわりに 第2章 例祭の古式神饌について−京都・奈良・滋賀を中心に− The classical offerings of anual ceremonies −A Case Kyoto、Nara、and、Siga− (1).はじめに (2).古式神饌の種類 大嘗祭の神前 伊勢神宮の「日別朝夕大御饌祭」 1.朝御膳・夕御膳 伊勢神宮 2.御棚神饌 上賀茂神社 春日神社 3.稲作以前の神饌 水度神社の「栗や榧」 北白川天神宮の「高盛御供」 4.唐菓子 春日若宮の「ぶと」 日枝神社の「ちん」 月読神社の「ゆとう」 下鴨神社の「ぶと」 大和神社の「ブトノクチ」 祇園社の「ふと」「桂心」 5.神仏に共通する神饌 談山神社の「百味の御食」 春日若宮の「御染御供」 白山神社の「百味の御食」 佐牙神社・御旅所の百味 百味 日枝神社の「ちん」 第3章 南山城、山本の宮座と講 (3)、宮座の組織と構成 第4章 古代駅制・山本駅と『竹取物語』 (1).はじめに (2).古代駅制の山本駅 山本駅の位置 (3).駅制・伝馬制 駅制・伝馬制の古記録 駅制・伝馬制の諸規定 駅長と駅子 駅子と伝使 (4).山本駅と「竹取物語」について (5).おわりに 第5章 神々の島”バリ”の民俗儀礼 A Folk BARI (1).はじめに 第6章 民俗の宝庫 インドネシアのトラジャ 3.トラジャの民俗儀礼 「首狩り」 「アルック・トドロ」 死の儀礼 生の儀礼 水牛供議の葬送儀礼 葬送儀礼 (ランブソロ) アルック・トドロ ディパ・ピトゥン・ポンギ ー上流階級の葬送儀礼ー 生の儀礼 (ランブツカ) あとがき 「あとがき」から 第ニ次世界大戦後の日本では、ややもすると欧米の文化が一番良い物とされ、 日本古来の良い文化はなくなりつつあるが、一方、国や都道府県ごとに無形 民俗文化財として保存し、復活する所も出てきている。 西暦2000年からは、成人の日が1月15日から1月の第2月曜日となっ たため、この年から私共の地域では「日待ち講」の行事が第2日曜日に変わった。 また、宮座や講の行事も最近簡略化され、この本に記した行事も徐々になくなり つつある。あと数年で、その他行事も大幅な変貌をとげるものと思われる。 昭和から平成にかけて調査した日本の伝統的な民俗行事の記録としてここに残 すことにより、日本人の歩みが少しでも多くの方々の目に触れ、日本古来の良 き文化を味わっていただければ幸いである。 私の表現不足や事例の報告で終わってしまったものもあろうが、少しでも これらの素晴らしい民俗に関心を持って頂き、自分達の誇りとして伝えていく ことが、私たち日本人を始めアジア民族にとって重要ではないかと思っている。 尚、この出版にあたり京都民俗談話会はじめ京田辺市郷土史会、それに 多くの取材に協力して頂いた方々、ご指導頂いた先生方、心より出版を引き受 けて下さった文理閣の黒川美富子さんにお礼を申し上げ たい。また、最後に取材のあいだ家を守ってくれた家族にも感謝している。 2000年7月 タイトル 稲作民俗の源流 〜日本・インドネシア〜 初版発行 2001年2月20日 発行所 文理閣 図書出版 〒600−8146 京都市下京区七条河原町西南角 TEL 075−351−7553 FAX 075−351−7560 E−mail bunri@mbox.kyoto-inet.or.jp 定価 5000円+税 ===== 切取り線 ======== 切取り線 ==== 特別特価(筆者発送分のみ)残部わずかとなりました。 定価5000円(本の郵送料500円+消費税)合計代金5500円 @郵便振込 口座番号 00920−7ー40389番 口座名称 小泉芳孝 通信欄 書名をを必ず記入(振込料はご負担ください) 全日開館として全て予約制(電話)により開館へ (2014年10月24日〜) |